舌下免疫療法とは

免疫抑制剤や抗アレルギー薬の内服(従来の治療):免疫そのものを抑制する治療

アレルゲン免疫療法(減感作療法):アレルゲンを少量投与し、免疫を慣らしてアレルギー体質を治す治療

の二つがあります。

①は即効性がありますが内服をやめるとアレルギーが再燃します

➁は即効性はありませんが減感作によりアレルギー体質の改善が望めます       

アレルゲン免疫療法は100年以上も前から行われており、安全性と効果が確認されている治療法です。

近年、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、痛みがなく自宅で服用できるようになりました

アレルギー症状のある疾患のうち、スギ花粉症に対して特に良く治療が行われており、80%近い人に効果が認められています。

​舌下療法の効果

​治療イメージ

期待できる効果

 

 

 

治療にあたっての確認事項

●治療前に検査と問診があります。現在、保険適応の免疫舌下療法の対象はスギ花粉とダニのみです。

●スギ花粉の飛散時期(1月から5月)は開始できないため、スギ花粉に対する舌下免疫療法の開始は6月〜12月に限られます。

●治療は長期間(3~5年)使用する方が効果が大きくなります。(短期間では効果が限定的であることが分かっています)

​●治療開始可能なのは5歳からです

臨床試験の結果では、約8割の方に効果がありました。そのうち、約2割の方は症状が出なくなりました。残りの約6割の方は症状が改善しました。

免疫を慣らす治療法ですので、完全に症状を改善できる可能性があります。

●約10~20%の方に効果がありません。

治療の流れ

(1) 初回診察   
 診察と血液検査を行います。 
 ※他院で取ったアレルギー検査結果があればお持ちください。

(2) 初回投与
 薬の初回投与は必ず院内にて行います。

 投与の後は、約30分間、院内で経過を見ます。

(3) はじめの7日間(開始期)
 錠剤を1日1回、舌の下にしばらく保持した後、飲み込みます。
 5分間はうがい、飲食をひかえてください。
 はじめの7日間は少量のアレルゲンにて体を慣れさせます。

(4) 7日目以降(維持期) 
 毎日同量の薬液を投与し続けます。これを2~4週間毎に通院を行い3~5年間継続します。

費用

診察料と薬剤費が必要です。

薬剤費については3割負担では下記の金額が目安となります。(保険の割合は年齢や収入によって変わるので詳しくは御相談下さい
・スギ花粉(シダキュア)の場合は月あたり1100~1300円

・ダニ(ミティキュア)の場合は月あたり1300~1700円

治療を受けられない方/効果が乏しい方

●スギ花粉症/ダニアレルギーではない方

●5歳未満の方

●重い気管支喘息の方

●悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気がある方

注意が必要な方/効果が乏しい可能性がある方

●アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方

●気管支喘息の方

●65歳以上の方

●妊婦の方、授乳中の方

●抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方

●重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方

●他に服用中のおくすりがある方[非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)など]

●全身性ステロイド薬の投与を受けている方

●スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方

主な副作用

●口の中の副作用(口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ)※最多の副作用です

●喉や耳のかゆみ

●頭痛 など

経過観察の上、症状が治まらない場合は直ちに受診が必要です。約2%の方に現れます。

重大な副作用・ショック

●アナフィラキシー

医薬品などに対する過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)が見られます。

これらの症状が出現した場合は内服を即座に中止し、病院へ連絡してください。
 

特に効果が得られやすい方

スギ花粉の時期だけアレルギー症状が出る。
 ⇒スギ花粉は治療効果が高いことが知られています。

中学生~高校生
​ ⇒受験の時期のアレルギー症状を緩和

●若い年齢の方は生涯のアレルギーによる損失を考慮すると効果が得られやすいです

舌下投与のイメージ