
朝の血圧こそ見逃せない。脳卒中リスクを高める“朝の時間帯”
- 横田 甚

- 2 日前
- 読了時間: 4分
朝に測る血圧、いちばん大事だとご存じですか? 病院で測る一回の血圧だけでなく、朝の家庭血圧が、脳卒中や心筋梗塞のリスクを知るうえで重要です。
2025年改訂の高血圧管理・治療ガイドラインでも、家庭血圧の管理がより重視されています。
朝の血圧が大切な理由
血圧は、1日の中で大きく変動します。診察室で測った血圧がたまたま正常でも、朝の自宅血圧が高いままになっていることがあります。逆に、病院では緊張して高く出るものの、自宅では落ち着いている方もいます。
そのため、高血圧の管理では「病院での一回の数値」だけでなく、普段の生活の中で測る家庭血圧がとても大切です。特に注意したいのが、朝の血圧です。

起床後1〜2時間に血圧が上がる「モーニングサージ」
夜、眠っている間は血圧が下がります。しかし、朝起きて活動を始めると、交感神経が働き、血圧は自然に上がっていきます。この朝の血圧上昇をモーニングサージと呼びます。
ある程度の上昇は自然な反応ですが、上がり方が大きすぎる場合には注意が必要です。過度なモーニングサージは、脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントと関連することが報告されています。
ポイント:朝は血圧管理の盲点になりやすい時間帯です。心筋梗塞や脳梗塞などは、早朝から午前中にかけて発症しやすいことも知られています。
「朝だけ高い血圧」は見逃されやすい
患者さんによっては、病院に来たときには血圧が落ち着いていても、起床直後の家庭血圧だけが高いことがあります。このような状態は、診察室血圧だけでは見つけにくいことがあります。
病院では大丈夫と言われたから安心している
昼間の血圧はそこまで高くない
薬を飲んだ後に測ると下がっている
このような方でも、朝の血圧が高い状態が続いている場合は、治療の見直しが必要になることがあります。
2025年のガイドラインでも家庭血圧の管理が重要に
2025年に改訂された日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標として、診察室血圧だけでなく家庭血圧の目標も示されています。家庭血圧の目標の目安は、125/75mmHg未満です。
ただし、すべての方が無理にこの数値を目指せばよい、という意味ではありません。年齢、腎機能、糖尿病の有無、心臓病や脳卒中の既往、ふらつき、立ちくらみ、転倒リスクなどによって、目標は個別に調整する必要があります。
朝の血圧は、いつ・どう測ればいい?
大切なのは、毎日できるだけ同じ条件で測ることです。
よくあるNG測定
朝食後や服薬後に測っている:食事や薬の影響で、血圧が変わってしまうことがあります。朝食前・服薬前に測ることが基本です。
高い数値が出て、何度も測り直している:測り直しを繰り返すと、かえって緊張して血圧が上がることもあります。
測った数値を記録していない:数日から数週間の流れを見ることで、治療方針を判断しやすくなります。
朝の血圧が高い方は、早めにご相談ください
朝の家庭血圧が高い状態が続く場合、生活習慣の見直しだけでなく、薬の種類や飲む時間の調整が必要になることがあります。
当院での対応
井高野・東淀川区の横田クリニックでは、高血圧・糖尿病などの生活習慣病と、腎臓病の早期フォローに力を入れています。
当院では、阪大糖尿病内科の専門医(非常勤)と腎臓内科専門医である副院長が連携し、糖尿病・高血圧・腎機能低下を総合的に確認しながら診療を行っています。
高血圧は、放置すると脳梗塞、心筋梗塞、心不全、腎不全、透析につながることがあります。だからこそ、症状がない段階からの管理が重要です。
気になる方は、家庭血圧手帳をお持ちください
ご自宅で測った血圧の記録をお持ちいただければ、診察時に血圧の傾向を確認し、必要に応じて治療方針をご提案します。 「朝だけ高い血圧」も、重要なサインです。気になる方は、早めにご相談ください。
監修:副院長 横田 甚(腎臓内科専門医)/横田クリニック 参考:日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)』、日本高血圧学会「血圧朝活」関連情報

